CG making by Photoshop

0.はじめに

■ 今回製作したCGはこちら(←)です。使用ツールはPhotoshop6.0とペンタブレット。
■ このメイキングは“Photoshopのテクニックを公開する”ためではなく、あくまでも“伸ちんのやり方を公開する”というコン セプトを元に製作していますので、分かりにくいところなどもあると思われます。おそらくPhotoshop初心者さん向きではないですが、初心者じゃない から分かるというわけでもないと思います。
■ 各サムネイルをクリックすると、キャプチャが新窓で開きます。

伸ちんがCGを塗る時に念頭においていることは、速さと「塗った」感です。やり方は意外とシンプルです。

1.下書をする

まんまです。下書は普通に白いルーズリーフB5にシャーペ ン(B)で書 いてます。
どうせペン入れする時に線は消えるので、消しゴムなんて使いません。ゴミが出るので。
下書の時に、完成したらどのようになるかイメージしながら書いています。色とかね。

2.ペン入れをして、取り込む

下書が終わったら、一日以上放置します。このCGの場合は 下書からペン 入れまでに1週間くらい放置してありました。時間を空けてから見ると、おかしい部分とかが分かる時があります。なので、伸ちんの場合は、すぐにはペン入れ しないようにしてます。
ペン入れにはZEBRAのGペンとPILOTの証券用インクを使います。Gペンはタッチが出やすいのと、柔らかくて使いやすいからという理由で使ってま す。でも、タッチが出ているのかは個人的に微妙です。
乾かしてから消しゴムで下書を消して取り込みます。

3.線画を調整する

スキャナーで取り込みます。解像度は150dpiです。大 きいと細かい ところまで書き込まなきゃいけないし、その割りに潰れちゃいます。それに、低解像度の方が作業が軽いというのもありますよ。
線画の色がくすんでいるので、レベル補正をします。スポイトで白いところと黒いところをとれば白黒はっきりしたメリハリ線画の出来上がりです。


4.線画レイヤーを作る

線画レイヤーを作るために背景レイヤーをコピーします。
そして、背景レイヤーを削除して、背景のコピーレイヤーのモードを乗算にします。
あとは、背景のコピーの下にレイヤーを作って作業をしていけばOKです。

5.ベースを塗る





背景のコピーの下に、一枚レイヤーを作ります。
まず、ベースを塗るわけですが、使うツールはパスツールです。ひたすら範囲を選択して、サブパスの塗りつぶしで塗りつぶしていきます。
簡単な作業ですが、意外と時間がかかります。パスで塗りつぶせたら、若干残っている白い部分をブラシで潰していきます。ベースはパーツごとに作っていきま すが、ここでは肌だけ。

6.レイヤーをロックする


ベースが塗れたらレイヤーをロックします。
ロックすることによって、塗りつぶされた部分からはみ出さないように出来ます。
あとで、全体に影をつけたりする際にいろいろと便利なので、この作業は欠かせません。

7.肌を塗る@

影をつけていきます。影をつける際、ブラシの不透明度と筆 圧感知とカ ラーは全てオンにしておきます。
こうすることで、塗りが滑らかになります。
塗る時は陰は3重くらい、そして、ハイライトを入れます。
このキャプチャはそこまで出来た状態です。しかし、それだけでは全体的に少し弱い印象を受けます。

8.調整する

メリハリをつけるために、レイヤーをいじりましょう。
まずは、明るさ、コントラストを調整します。明るさは毎回+3くらい、コントラストは+30くらいしています。そうすることで、メリハリが出ます。
コントラストをいじると彩度が高くなってしまうので、彩度を少し下げて色相を調整します。
次にピクセレート→面を刻むを実行します。こうすることでベタベタっと塗った感じになります。ここら辺が重要なんじゃないかなぁと思います。
最後にレイヤー1にシャープをかけて、肌は完成です。

9.服を塗る

服も基本的には肌と一緒です。
しかし、シャープフィルタをかけると、きつくなってしまうので、服にはシャープフィルタをかけないようにしています。
塗り終わったら肌のレイヤーと結合します。作業中はレイヤーの枚数を出来るだけ少なくしておくことで、動作が快適になります。軽くなるしね。

10.髪を塗る

髪の毛はベースを塗った後、ひたすらブラシの大きさを変え て書き込みま す。
書き込んだ後、コントラストを調整して、メリハリを出します。
ここで、面を刻んでしまうと折角書き込んだ線が潰れてしまうので、シャープだけで済ませます。

11.背景以外を結合する

後は、5〜8の繰り返しをして、背景以外を全て塗ります。
画像は背景以外を塗り終わったところです。
塗り終わったら、レイヤーを一枚に結合しておきます。

12.背景@

背景の手前の方の木を塗ります。
背景以外のレイヤーの下にレイヤーを作って作業をしていきます。
木はごつごつした感じを出すために、塗ってコントラストを調整して、シャープをかけてから面を刻みます。
画像は木が塗り終わったところ。

13.背景A

桜を塗ります。まずは一番下にレイヤーを作り、全体をピン クで塗りつぶ します。後は、ひたすら滲んだようなブラシで色を重ねていきます。ある程度重ねたら、面を刻みます。面を刻むとにじみが面になるので、花弁っぽい雰囲気が 出ます。
次に、木のレイヤーの上にもう一枚レイヤーを作り、木にかぶさっている花弁を書き込んで行きます。やり方は同じですが、一番下のレイヤーに比べると面を刻 む回数を増やしています。
散っている花弁は、線画レイヤーの下にレイヤーを作り、塗りつぶして、少し陰をつけておきます。
終わったら線画以外のレイヤーを結合します。

14.仕上げをする

最後に桜の淡い感じを出したかったので、線画レイヤーの上 に一枚レイ ヤーを造り、全体に紙ふぶきのように、薄いピンクで短い線を引きます。使うブラシは滲んだようなものがいいです。
終わったら、面を刻み、レイヤーを結合して全体の色合いをいじって完成です。

完成した作品はこ ちら

15.終わりに


Photoshopメイキングというかメイキングですらないと思われますが、少しは参考になっていただけましたでしょうか。
こういう風にやっているんだ〜というのがわかっていただければ嬉しいです。質問とかありましたらなんでもどうぞ。
2007.03 久条伸人


(本館:創作イラスト・漫画・小説サイト)