El criado y la mujer



後 書き.


 今回の作品は、連載初期の段階で最後まで 書き終えていたので、それをPCに打ち込んで上げていく形になりました。大体週一で連載ができると言う自分のペースも分かりました(笑)
 一応”ノワール”という単語を念頭に置いて頑張りました。文体を少しだけ変えてみました。ラテンな感じがするような文体を目指したのですが・・・一文が 長いというのもあって、少しくどいです。ラテンもラテンアメリカも凄く好きなのですが、今回はラテンの方で・・・。あとは、スペイン語の単語をちりばめて みたりもしました。下品な単語が多くなってしまいましたが(笑)
 主人公のアルバロは本当にしがないというか情けない、悩める男で、書いていて私が情けなくなってきました。”女々しい”という感想を頂いたこともありま すが、そう見えるように意識して描いたので、その試みは成功したようです。
 アルバロを翻弄する”セニョリータ”・マヌエラは、典型的なファム・ファタールと言えます。少しだけ違うのは、彼女もまたアルバロと出会ったことによっ て運命が変わってしまったかもしれないと言える点です。それから、セスクとラモンの二人組みは、私のラテン圏における警察のひどい先入観をもとに書きまし た。実際の警察がどうかは分かりませんので、どうか広い心でご覧ください。
 この作品の草案が、伸ちんのグラフィックノベル(しかし挫折)用に書いたものだというのもあって、小説として書くときも頭の中で映像を思い浮かべながら 書きました。ペドロ・アルモドバル監督のような色彩のインディーズ映画のような(分かりにくい)イメージです。
 まとまらない後書きになってしまいましたが、この辺で。
2006.09.02 輝扇碧