芸術家とその周囲の人間をモチーフに描いたオムニバス。全4編。



−異端者は楽園の脅威だ。
画家の「私」と、プールサイドで本を読む謎多き男、ジェイ。
楽園のようなホテルでの、ひと夏の陶酔。


−「僕は絵を描いてくるよ。おやすみ。・・・じゃあな」
三流小説家の「俺」と、幼馴染の気紛れな絵描き、アンジェロ。
剥き出しになった感受性の鋭さと、それゆえの精神の脆さ。


−「触ってみなさい。滑らかだから」
彫刻家のギヨームと、モデルを引き受けた画家の「僕」。
彫刻家として死に、そして画家として再生する。


―八本の指で、幸せな生活など送れっこない。
絵が描けない手になった「おれ」と、主治医のピエトロ。
芸術はいつも傍にあり、関わりはなくなるものではない。

2006.05〜12


GOD OR NOTHING(本館)